蒼い帳が、静かに降りて来る。この時間が好きだ。
シャワーの熱気から解放されてローブを着るまでの間、体はささやかな自由時間を楽しむ。
たっぷりと詰まった一日の疲れを追い出すように、ゆっくりとストレッチをはじめる。
下着をつけていないから、甘やかした部位が丸わかりだ。
滑らかさには自信があったお腹のあたりが、最近すこし柔らかくなった気がする。
「こんなかんじのウエストを、天使のエプロンっていうんだ」といいながら
やさしく撫でてくる大きな掌の感覚を思い出す。
今夜、その持ち主はまだ傍らにいない。
携帯のコール音を待ち詫びる。
薄墨色に包まれた、切なく蒼いひととき。
あたまの芯が、じんわりと痺れてくる。
抱かれたい。すぐにでも…と、思う。
彼の性格そのままの快活で、悪戯好きな指は
私のもっともデリケートな鍵を、とても上手に弾いてくれる。
自分から欲しがっているなんて、あんまり知られたくないのだが
はしたなく潤んだ果肉の中心を何度も何度も抉りながら
濡れているそのわけを訊ねられると、もう…だめ。
脳が溶けだすような、淫らな気分になってくる。
ソファーに倒れ込み、ゆっくりと脚を拡げてゆく。
白い滑らかさが自慢の肌の先に、淡い赤茶色の茂みが見える。
「天使の産毛のようだ。薄くって、そこのカタチもよくわかるよ」
ピアノのおさらいをするように、彼の指の動きを思い出しながら
体毛の流れに逆らって、やさしく、そっと触れてみる。
かたちを確かるように沿側をなんども、なぞる。
だんだん指の動きが滑らかになる。
蜜が溢れ出してくるのを感じる。
ぬらりと指先が、滑った。
声が、漏れる。
「かわいいよ、とても」
あたまの奥で彼の声がした。
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うわ…。
官能的なお話なのでコメ書くのが恥ずかしいんですが…。
恋人を思い出しながら一人の夜を過ごすお話ですね。
逢っている時以上に官能をかき立てられる。ある意味とても贅沢な時間です。
巧みにつま弾かれると自分がよく鳴る楽器になったような気がする…というのは女性だけの感覚かと思っていました。
(あ、三島由紀夫の「音楽」というお話ありますが…。あれは鳴らない、というお話でした…。
非常に素敵で、大人っぽい作品でした。
エロティックなのにいやらしくない。
また読んでみたいです。
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キレイなハーモニーが出せたら、実に官能的で幸せですね。
とはいえ女性の感性は、永遠の謎なので、この女性もまた妄想の産物ではあるのですが。
このところ、才能溢れる作家さんたちに出逢って、自分自身、小説を書こうなんて烏滸がましいなぁと。
しばらく、読み手として楽しまさせてもらおうと思っているのですが、ダメ?