メリークリスマス!!
先ほど、友人の日記から素敵なクリスマスプレゼントをいただきました。
以下の文章は、今から100年前、
ニューヨークの地方紙ザ・サンに掲載された、8歳の少女からの投書と、
それに対する回答の社説記事です。
この記事は後に何度か映画化されたので、よく知ってる方もいらっしゃると思いますが、
オイラが、もの書きという仕事を目指すキッカケになった記事でもあります。
想いや願いは、実際に自分の文字や絵で書く(描く)ことで、ホントに実現するのだということを
私自身が体験する、そのキッカケになったものなのです。
今夜見る、しあわせな願いに満ちた夢が、みなさんもどうか実現されますように。
~~~はじめに~~~
私どもはこのような形で、以下のご投書に対しご返事出来ることを喜びに思っています。
同時に、この信頼感溢れるご投書をお書き下さった方が「ザ・サン」の愛読者のお一人だということに大きな誇りを感じるものです。
親愛なる記者様
私は8つです。
年下の友だちに、サンタさんなんてほんとうはいないんだよ、という子がいます。
パパは、「『ザ・サン』がサンタさんのことを書いたなら、きっとその通りだろう」と言います。
どうか本当のことを教えて下さい。
サンタさんっているんですか。
ヴァージニア・オハンロン
~~~ニューヨーク「ザ・サン」クリスマスの社説より~
ヴァージニア、あなたのお友達は間違っています。
何でも疑ってかかるご時世なので、それにすっかり感染してしまっているのでしょう。
そうした人たちは自分たちが見たものしか信じません。
自分たちの狭い心で理解出来ないものに出会うと、こんなことありっこない、で済ませてしまいます。
ヴァージニア、
心っていうのは、大人の心であれ、子供の心であれ、みんな狭いものです。
私たちのこの巨大な宇宙と比べると、人類はちっぽけな虫、アリのような存在です。
私たちをとりまく広大無辺の世界と比較したら、あらゆる真実と知識を有する知能が見たとしたら、
人類の知性などまるで取るに足りないものです。
そう、ヴァージニア、サンタさんはいます。
愛や思いやりや献身がたしかに存在するように。
この世界にそれが満ちていて、人生に言い知れない美しさと喜びを与えてくれているのは、
あなたもよく知っているでしょう。
ああ、サンタさんがいない世界なんて、なんて下らない世界でしょう!
まるで、この世から、たくさんのヴァージニアが一度に消えてしまったのも同じじゃないですか。
子供らしい信仰も、詩も、ロマンスも、何もかもかき消え、
後には生きる苦しさに耐えることも出来ない世界が残るだけです。
楽しみと言えば、実際に手でさわり、目で見えるものだけ。
子供時代に世界を包んでいた永遠の灯かりは、スイッチをひねるように消えてしまいます。
サンタさんを信じない!
それは、妖精だって信じない、と言ってるのも同じです。
クリスマス・イヴにサンタさんが煙突から降りてくるところを見たいなら、パパにお願いして、
煙突という煙突に見張を置くことも出来るでしょう。
でも、たとえサンタさんが降りてくるのを目撃出来なくても、それが何の証拠になるのでしょう。
だれもサンタさんを見ていないからと言って、
それがサンタさんがいない証しになると言うのでしょうか。
この世で最もたしかな真実は、子供も大人も目にすることが出来ないものです。
あなたはこれまでに妖精たちが草原でダンスを踊っているのを見たことがありますか。
もちろんないと思います。
けれど、だから妖精など存在しない、と言えるでしょうか。
この世界にいる、姿がなく見ることが出来ない不思議なものを、
すべて思い付いたり勝手にでっちあげたり出来る人間などいないはずです。
赤ちゃんのガラガラを分解して、どんな仕組みで音が鳴っているか、
中身を調べてみることは出来るでしょう。
しかし、目に見えない世界を蔽っているヴェールは、一番の力持ちでも、
たとえこれまで存在したあらゆる力持ちが集まっても引き裂くことは出来ません。
信仰と、詩と、愛情と、ロマンスだけが、そのカーテンを開き、
その向うにある、言葉に出来ないほど美しく素晴らしいものをかいま見せ、
その姿を描き出してくれます。
それはすべて本当のことかって?
ああ、ヴァージニア。この世で、それほど真実で永遠に変わらないものはありません。
サンタさんがいない!やれやれ!
サンタさんはちゃんといて、そして永遠に生きています。
今から千年もの間、いやヴァージニア、それどころか、一万年のさらに十倍だって、
サンタさんは子供たちの心を喜びで満たし続けてくれるでしょう。
~~~
「サンタクロースは実在するのか(Is there a Santa Claus?)」は、1897年9月21日、アメリカ合衆国の新聞、ニューヨーク・サンに掲載された社説。8歳の少女が同新聞社にこの質問をし、同社の記者フランシス・チャーチによって執筆された。
アメリカで最も有名な社説の一つとなり、社説が掲載されてから100年以上経った今でも、クリスマスの時期になると世界中で愛され、語り継がれている。 *ウィキペディアより引用